運動機能の衰え、これは年齢を重ねるほど「いや~足腰が弱くなったな~」と感じるものです。
階段を登ったり降りたり、ちょっと早めのジョギングをしたりしても、すぐに息が上がってしまうようになってきます。
「若い頃はこんなんじゃなかったはずなのに。」と思っても、その若さを取り戻すことは容易なことではありません。
自分の人生を振り返ってみたときに、若い頃もっと体を鍛えておけばよかったなど感慨にふけったりします。
しかし、今からでも決して遅くはありません。少しずつ筋力をつけて今後の人生をより健康に楽しく過ごしましょう。
ここでは、運動機能に関する5つの質問をします。ぜひ、考えてみてください。
1 筋肉や骨が最も強いもは何歳ころですか?
2 筋肉が衰え始めるのは何歳ごろからですか?
3 骨が弱くなり始めるのはいつごろでしょうか?
4 膝・腰の痛みやしびれの主な原因は何でしょうか?
5 高齢者の骨折で一番多い原因は何だと思いますか?
さて、回答です。
骨と筋肉にも成長期があります。
20歳ころに一番強くなります。
同じ20歳でも、子供の頃の食生活や運動などの過ごし方の違いで、筋肉量や骨量の違いが表れてきます。子供の頃の生活習慣が将来の骨と筋肉の強さと健康を決めることになりますので、もし、お子さんがいる場合は、十分念頭に置いて食事や運動を見守っていきましょう。
これで、1番目の答は「20歳ごろ」となります。
人間の足腰の筋肉は、20歳をピークとしながらも30代まではなだらかに下降しますが、40代を過ぎますと下降曲線はスピードを増してゆきます。
さらに50第になりますと足腰の筋肉は急激に衰え始めると言ってもいいでしょう。
筋肉量は20歳から75歳までに約半分になると言われます。
これで 2番めの答は、「40代頃」となります。
次に骨の強さです。骨の強さは性ホルモンと強く関わっています。性ホルモンは、通常50歳代から減少します。それにともなって骨量も低下していきます。
特に、女性の場合は、閉経後骨量が急激に低下します。
これで3番目の答は、「50歳前後」となります。
さて、50歳を過ぎて急激に筋肉や骨の減少が目立ってきますが、これを放置しておきますと、膝関節や、背骨の病気になる危険性があります。
それは、「変形性膝関節症」であったり、「脊柱菅狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」であったりします。この病気になると、膝関節、骨、神経の病気が悪化して、痛みがひどくなったり、痺れが出たりして歩行困難に陥ります。
これで、4番目の答は、「膝関節や背骨の病気」です。
さらに高齢になると、筋力の低下とバランス能力の低下が生じてきます。こうなると、ちょっとした段差にも躓いたり、転倒したりしやすくなります。この時、骨がもろくなっていたりすると、ささいなつまづきや転倒でも骨折してしまいます。
これで、5番目の答は、「躓きと転倒」ということになります。